[p.0738][p.0739]
倭訓栞
中編二十/波
はらだつ 遊仙窟に嗔字およめり、腹の起脹する義なり、よて俗に立腹(○○)といへり、又はらおすえかぬる(○○○○○○○○)ともいへり、後拾遺集に、
風はたゞ思はぬ方に吹しかどわたのはらたつ波はなかりき、はらのいるといふ詞も、立といふより、居と対したるなり、種が島にはらかく(○○○○)といひ、対馬にて蔵がたつ(○○○○)といふ、俗に暴怒おむくろばらおたつる(○○○○○○○○○)といへり、むくろごめに腹だつなり、腹立て下唇おくはへ居るお、しらやまむくば(○○○○○○○)といふ、