[p.0743]
総見記

武蔵守殿信行生害事
津々木、連日何事おか讒言したりけん、信行、柴田に詞おも掛給はず、勝家は心中蒸が如く腹立けれども、わざと顔色に不出さ一居けるが、心安き朋友の手お取て、我が眼の上お探らせけるに、眼の上さながら猛火の様に熱しける、