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大鏡
一/花山
こき殿の女御の御ふみの、日ごろやりのこして、御身〈○花山〉もはなたず御覧じけるお、おぼしめしいでゝ、しばしとてとりにいらせ給ひけるほどぞかし、あはた殿〈○藤原道兼〉いかにかくはおぼしめしたちぬるぞ、たゞ今すぎなば、おのづからさはりとて、いでまうできなんと、そらなき(○○○○)し給ひける、