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倭訓栞
前編十九/那
なげき 嘆およめり、霊異記に差、新撰字鏡に悒おなげくとよめり、長息の義也、長大息といふが如し、よて嘆息ともいへり、歎息はためいきおつく事也、〈○中略〉伊勢物語に、花にあかぬなげきなどいへるは、愁嘆にあらず、称嘆の意也といへり、さるお歎お俗になげくと心得るは誤也といへるは、哀嘆のことのみに覚えて、和語の本意お弁へざる説也、