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伊勢物語

むかし男ういかうふりして、ならの京かすがの里に、しるよしして、かりにいにけり、その里にいとなまめいたる女、はらからすみけり、此男かいまみてげり、おもほへず、ふる里にいとはしたなく有ければ、心ちまどひにけり、