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平治物語

信頼降参事並最後事
右衛門督〈○藤原信頼〉の年来の下人、主の死体お収めんとするにやと見る処に、左はなくして、体おはたとにらみ、己はとて、持たるつえにて、二打三打打ければ、〈○中略〉無念に思けん事は去事なれ共、余成る学動哉とて、惡まぬ者ぞなかりける、