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伊勢大神宮神異記

七月〈○万治二年〉廿三日の暁、夢中に、予〈○度会延佳〉が背の方より、右の耳に告て雲、此事〈○争訟〉は五日の中に相済なりと、次に歌一首となへける、
むすびあげて五十鈴の川の用水の久しき代々おなほや仰がん、と雲と覚て夢さめたり、傍に寝たりし、岩出氏秦末清おおこして、かくのごとき霊夢の告ありといへば、即時筆とりて書留けり、〈○中略〉先日戯ぬる人も驚き、廿三日より今日〈○二十七日〉は五日也、前知たゞ事にあらず、いか様にも神明の告給なるべしと、感歎不斜、