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古今著聞集
四/文学
都良香竹生島に参りて、三千世界眼前尽と案じ侍て、下句お思ひわづらひ侍りけるに、その夜の夢に、弁才天、十二因縁心の恵空、とつけさせ給ひける、やんごとなき事なり、〈○中略〉邑上帝かくれさせ給ひて後、枇杷大納言延光卿あさゆふ恋しく思ひ奉て、御かたみのいろお一生ぬぎ給はざりけり、ある夜の夢に、御製おたまひける、 月輪日本雖相別、温意清凉昔至誠、兜率最高帰内院、如今於彼語卿名、