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曾我物語

たちばなの事
さてもこの二十一のきみ、〈○平政子、中略、〉このゆめおば、わらはかひとりて、御身〈○政子妹〉のなんおのぞきたてまつらんといふ、〈○中略〉さらばとよろこびて、うりわたしける、そのゝちに、くやしくはおぼえける、このことばにつきて、二十一のきみ、なにゝてか、かひたてまつらん、もとよりしよまうのものなればとて、ほうでうのいへにつたはる、からのかゞみおとりいだし、からあやのこそで一かさねそへわたされけり、