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金葉和歌集
九/雑
おとこのなかりける夜、こと人おつぼねにいれたりけるに、もとの男まうできあ ひたりければ、さはぎてかたはらのつぼねの、かべのくづれより、くゞりてにがしやりて、又 の日、そのにがしたる、つぼねのぬしのがり、よべのかべこそうれしかりしかなど、いひにつ かはしたりければよめる、 読人不知
ねぬるよのかべさはがしくみえしかど我ちがふれば事なかりけり