[p.0843]
貞丈雑記
十五/言語
一人のよぶ時はいらへする事、〈いらへとはへんじお雲なり〉今はあい(○○)と雲、又はへい(○○)抔と雲、古は左様にはいはざる也、猿楽の狂言に、大名などが太郎冠者とよべば、はあ(○○)といらへお雲也、是は東山殿の時代の風俗お、今に伝へたる也、又三儀一統に雲、人おめすいらへは、男はよ(○)といらへ、女はおといらへ申也とあり、