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太平記
二十九
将軍上洛事附阿保秋山河原軍事
桃井が扇一揆の中より、長七尺計なる男の、ひげ黒に血眼なるが、〈○中略〉隻一騎河原面に進出て、高声に申けるは、戦場に臨む人毎に、討死お不志雲者なし、然共今日の合戦には、光政殊更死お軽じて、日来の広言(○○)お、げにもと人に雲れんと存也、〈○下略〉