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川角太閤記

御所様〈○徳川家康〉はや宇都宮へ御著被成候とひとしく、治部少輔謀叛の様子相聞申候処に、彼鍋島者ども、右の御理申上ばや、宇都宮にて兵粮指上申候、奥州境目迄の兵粮米買置候事お、目錄に乗せ、尾張よりの兵粮米進上候と相聞申候、御所様御分別にも、扠は鍋島、心中は無別条と被思召候と聞へ申候、鍋島奥意は、日よりお伺候(○○○○○○)と相聞候へ共、親加賀守分別お以、国に離れずと、世間に其節専ら申あへると相聞え申候事、