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関八州古戦錄
十七
秀吉公湯本著陣事
秀吉公四月朔日の黎明に、三島の駅お出馬し給ひ、足柄筥根お越て、小田原の城より行程半里こなた湯本の真覚寺へ著陣まし〳〵、先隊の勢お分て、湯本口、竹が鼻口、畑湯坂、塔峯、松尾岳辺へ指向け指向け攻立られければ、持口の寄合勢億病神にや引れけん(○○○○○○○○○)、或は見崩し、聞崩して、片端より開け退て、小田原の本城へ莟(つぼ)みしかば、〈○下略〉