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源平盛衰記
三十五
粟津合戦事
兵の中に、家包甲お脱、太刀お納て降人に参れ助ん、木曾殿も今は主従三騎也、和君一人命お棄たり共、木曾殿軍に勝給ふべしや、唯降人に参れ無由々々と雲ければ、家包申けるは、弓矢取身は主(○○○○○○)は二人不持(○○○○○)、軍(○)の習、討死は期する処也、〈○下略〉