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太平記
十六
新田左中将被責赤松事
義貞是お聞給て、此事ならば子細あらじと被仰て、頓て京都へ飛脚お立、守護職補任の綸旨おぞ申成れける、其使節往反の間、已に十余日お過ける間に、円心城お拵すまして、当国の守護国司おば将軍より給て候間、手の裏お返す(○○○○○○)様なる綸旨おば、何かは仕候べきと、嘲哢してこそ返されけれ、