[p.0907]
太閤記

秀吉初て普請奉行の事
さらば割普請に沙汰し申さんとて、下奉行共と謀り、百間お十組に分割符、面々に宛しかば、翌日出来し、腕木ごとに松明おも掛置、掃除以下きらよく見へし折節、信長公御鷹野より帰らせ給ふて、御覧じもあへず御感有て、御褒美不浅、其晩に被召出、御扶持方加増有けるこそ、終お初に立る(○○○○○○)徴兆也と、後にぞ思ひ知れたる、