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太閤記

秀吉初て普請奉行の事
信長公きこしめして、猿めは何お雲ぞ、何事ぞと問給へ共、さすが可申上義にあらざれば、猶予し給へる処に、是非に申候へとて、かひなお取てねぢかゞめ給ふ、有のまゝに申せば、宿老共お讒するに似たり、又申さねば君の仰お背に似たり、呼(あゝ)口は禍門なり(○○○○○○)と世の諺に伝へし事、今おもひあたりたり、