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燕居雑話

ひざとも談合
諺にひざとも談合(○○○○○○)といふ事、出所も定かならず、其うへ膝ともと心得て居る故、何其わからぬなるべし、是は詩大雅板の篇に、先民有言、詢芻蕘、といへるに原きたるにて、卑者とも相談すると雲ことなるべし、源氏などに、大悲者おだいひざといひし例にて、ひざは即卑者の字音ならむ、武者おむさ、修行者おすぎやうざ、従者おずさなど雲おもて知るべし、是余が久しく疑ひて、近きころ考得し所なり、