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大鏡
七/太政大臣道長
あがりてのよにも、かく大臣公卿七八人、二三月のうちにかきはらひうせ給ふは、けうなりしわざなり、それもたゞこの入道殿〈○藤原道長〉の御幸のかみおほし給へるにこそ侍るめれ、〈○中略〉それにまたおとゞ〈○道長兄道隆〉うせさせ給ひにしかば、いかでかは、ちごみどり乎のやうなる心おはする、との〈○道隆子伊周〉のよのまつりごとし給はむとて、あはたどの〈○道長兄道兼〉にわたりにしそかし(○○○)、ふりおこはべうつはものおまうけよ(○○○○○○○○○○○○○○○○)、と申事、まことにあることなり、