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奥州後三年記

次に千任丸おめし出して、先日矢倉の上にていひし事、たゞ今申てんやといふ、千任かうべおたれてものいはず、その舌おきるべきよしおいふ、源直といふものあり、寄て手お持て、舌お引出さんとす、将軍大きに怒りていはく、虎の口に手おいれんとす(○○○○○○○○○○○)、甚だおろかなりとて追立、