[p.0923]
源平盛衰記
二十四
南都合戦同焼失附胡徳楽河南浦楽事
入道〈○平清盛、中略、〉いか様に毛南都には、謀叛人の籠たると覚ゆ、追討使お遣て可攻とぞ披露せられける、南都の大衆此事お聞きて、落籠たる謀叛人は誰がしぞ、一天の君お始め奉り、卿相雲客奉流失、天下お乱て、今はのこる処なく振舞て、無実お構へ仏法お亡さんや、目醒しき事なり、恐くは木お離たる猿(○○○○○○)の迎や儲せよとて、木津川に広な一町計の浮橋渡して、左右に高欄お立たりけり、