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義経記

吉次が奥州物語の事
ひでひら〈○藤原氏〉も、くらまと申山寺に、左馬のかうの殿の君達おはしますなれば、だざいの大二位清盛の日本六十六け国おしたがへんと、常はのたまふなるに、源氏の御君達お一人下し参らせ、いは井の郡に京おたて、二人の子どもお両国のりやうしゆさせて、ひでひら生たらん程は、大炊介に成て、源氏お君とかしづき奉り、うへ見ぬわし(○○○○○○)のごとくにてあらばやとの給ひ候、