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平家物語
十一
志度かつせんの事
去程に、渡辺福島両所に残り留りたりける二百余艘の船ども、梶原お先として、同じく廿二日の辰め一天に、八島め磯にぞ著にける、四国おば、九郎判官せめ落されぬ、今は何の用にかあふべき、六日のしやうぶ(○○○○○○○)、えにあはぬ花いさかひはこゝのちぎりきかなとぞ笑れける、