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宣胤卿記
文明十三年五月五日己卯、顕乗来、今日継連歌付待従中納言、禁裏可書進之由、以彼卿先日被仰下之故也、昨日持参之処、御聯句無骨之間不進、他人無此類、余始而沙汰之、〈○中略〉
ふる雨の晴ぬるあとや草の露 蕗也
こえはうへなり萩の下かせ 御器 発句腋後日直進之
暁の月のいる後まとろみて 茜(あかね)
菊のうへはらへは露のあともなし 沓
鐘にかばかり夢ぞみしかき 粥
草にごえある萩の下かせ 将棊
立かへる旅とてたれおさそはまし 直垂
みるおはじめのあづまぢの末 道
春のくる方より花のほころびて 東方朔 莞〈此分可然之由被仰下〉
山の尾上ぞまつかすみぬる 鎌 松山同
V 新増犬筑波集