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早雲寺殿廿一箇条
一朝はいかにもはやく起べし、遅く起ぬれば、召仕ふ者まで由断しつかはれず、公私の用かくなり、はたしては必主君にみかぎられ申べしと、ふかくつゝしむべし、
一ゆふべには五つ以前に寝しづまるべし、〈○中略〉寅の刻に起、行水拝みし、身の形儀おとゝのへ、其日の用所妻子家来の者共に申付、扠六つ以前に出仕申べし、古語には子にふし寅に起よと候得ども、それは人により候、すべて寅に起て得分有べし、辰巳の刻迄臥ては、主君の出仕奉公もならず、又自分の用所おもかく、何の謂かあらん、日果むなしかるべし、