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枕草子
五
此車のさまおだに、人にかたらせてこそやまめとて、一条殿のもとにとゞめて、侍従殿〈○藤原公信〉やおはします、郭公のこえきゝていまなんかへり侍るといはせたる、つかひたゞ今まいる、あがきみ〳〵となんのたまへる、さぶらひにまひろげて、さしぬきたてまつりつといふに、まつべきにもあらずとて、はしらせて、つちみかどざまへやらするに、いつのまにかさうぞくしつらん、おびは道のまゝにゆひて、しば〳〵とおひぐる、ともに侍ひ、ざうしき、ものはかではしるめる、とくやれといとゞいそがしくて、つちみかどにきつきぬるにぞ、あへぎまどひておはして、まづ此くるまのさまいみじくわらひ給ふ、