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続古事談
一/王道后宮
河内前司重通と雲者、童にて西宮にありけるに、みちあしかりける所に、あゆみの板お三四枚ばかりしきわたしたりけるに、朱雀院のかたより、しらひげなる翁の、もとどりはなちたる、すそおとりて、この板おわたらんとしけるお、この重通がおさなくて、いたの端おふみてうごかしたりければ、此翁ひれふし(○○○○)にけり、〈○中略〉後にきけば、冷泉院のおはしましける也、いとあやしきこと也、