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石田先生事蹟
禁裏へ拝見の事有りて、参り給ふには、必沐浴したまへり、〈○中略〉
貴人へ見え給ふ時は、かならず沐浴したまへり、〈○中略〉
伊勢参宮の人お迎ひに行給ふ時は、沐浴して出で給へり、神お拝する心にて迎へ給ふとなり、自参宮したまふ時は、旅宿にて毎夜沐浴しだまへり、
先生故郷へ行き給ふには、かならず宅にて沐浴し出で給ふ、道の程七里ばかりの所なるが、故郷の宅に著し給ふまでは、二便お便じ給はず、是は身お汚さじとなり、
○按ずるに、沐浴に関する事は、居処部浴室篇、及び器用部澡浴具篇に載せたれば、宜しく参看すべし、