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神皇正統記
二条
義朝重代の兵たりしうへ、保元の勲功すてられがたくはべりしに、父〈○源為義〉のくびおきらせたりしこと、大いなるとがなり、古今もきかず、和漢にもためしなし、勲功に申かはるとも、みづからしりぞくとも、などか父お申たすくる道なかるべき、孝行かけはてにければ、いかでかついにその身おまたくすべき、ほろびぬることは天理なり、