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万葉集
九/相聞
天平五年癸酉、遣唐使舶発難波入海之時、親母贈子歌一首〈並〉短歌、秋芽子乎(あきはぎお)、妻問鹿許曾(つまとふかこそ)、一子二子(ひとつこふたつご)、持有跡五十戸(もたりといへ)、鹿児自物(かこじもの)、吾独子之(わがひとりこの)、草枕(くさまくら)、客二師往者(たびにしゆけば)、竹珠乎(たけたまお)、密貫垂(しヾにぬきたれ)、斎戸爾(いはひべに)、木綿取四手而(ゆふとりしでヽ)忌日管(いはひづヽ)、吾思吾子(わがおもふあこ)、真好去有欲得(まさきくありこそ)、
反歌
客人之(たびびとの)、宿将為野爾(やどりせむのに)霜降者(しもふらば)、吾子羽裹(わがこはぐくめ)、天乃鶴群(あまのつるむら)、