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女大学
一婦人は別に主君なし、夫お主人とおもひ、敬ひ慎みて事べし、軽め侮るべからず、総じて婦人の道は人に従ふにあり、夫に対するに顔色言葉づかひ慇勤に謙り、和順なるべし、不忍(いぶり)にして不順なるべからず、奢て無礼なるべからず、是女子第一の勤也、夫の教訓あらば、其仰お叛べからず、疑敷事は夫に問て、其下知に従ふべし、夫問事有ば、正しく答ふべし、其返答疎なるは無礼也、夫若腹立怒る時は、恐れて順ふべし、怒り諍ひて、その心に逆ふべからず、女は夫お以て天とす、返返も夫に逆ひて、天の罰お請べからず、