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伊勢平蔵家訓
五倫の事
一妻は夫おあがめいやまひ、大切にして食物衣服などの内証の世話おやき、夫に対して、りんきねたみの心なく、夫一人の外には、他人といたづく事せず、夫のしかたは、いか程わろくとも、夫お恨みず、心替りせず、死すとも夫の家お出ずして、一すぢに夫の為おおもふお、貞女といふ、是妻の法なり、