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良将達徳抄
六上
長曾我部殿嫡子左京亮殿お討捕、勝利お得給ふ事、誠に不思儀に御勝也、彦左衛門も、各同前、敵五人討取申候、然ば親父長曾我部殿、浜辺おさして落行ける、船干夕なれば、可渡様なく、長曾我部殿周章しける処に、家久様〈○島津〉川上平左衛門お以、長曾我部殿へ御使有けるは、今度御息左京殿打取る事、弓箭之故不及是非弐第也、然処に船も夕于に成り、難浮見へたり、緩々と待塩可有解陣之由被仰付候、誠に名将之御至也と、諸人臓申候、〈帖佐宗辰覚書〉