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備前老人物語
一細川三斎の児小姓に、当座指料の刀お給はる事ありしに、謹て頂戴して腰にさし、頭お座につけ色代し、其後彼刀お三斎の左りの脇になおしおき、たちさりて指かへの刀おもち来り、拝領せし刀に取かへて退けり、若輩の身として、奇特なる心ばへ也、上下かんじあへりしと也、