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古今著聞集
十一/画図
東大寺供養の時、鎌倉右大将〈○源頼朝〉上洛有けるに、法皇〈○後白河〉より宝蔵の御絵共お取出されて、関東にはありがたくこそ侍らめ、見らるべきよし仰つかはされたりけるお、幕下申されけるは、君の御秘蔵候御物に、いかでか頼朝が眼おあて候べきとて、恐おなして、一見もせで、返上せら、れにければ、法皇は定て興に入らんと思召たりけるに、存外にぞ思食されける、