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桃源遺事

越後の光長朝臣の、御家中騒動につき、家臣荻田主馬、小栗美作お江戸の御城へめし、御前において、対決仰付られ候節、綱豊卿、〈甲府〉御三家の御方も、其席に御詰被遊候処に、此席の御座配は、御三家の下へ、綱豊卿御著座の筈の処に、西山公〈○徳川光国〉達て仰られ、御座お綱豊卿へ御ゆづり、西山公は次の座に御著被成候、此時綱豊卿は正三位、西山公は従三位にて御座被成によつて也、