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神道玄妙論
敬は都々斯美と訓べし、旧ぐ謹、慎、祗、欽、粛などの字お訓来れり、言の本は、万葉集に恙字お、多く都々美と訓み、都々美那久といひ、郡々麻波受など、活用けるお思ふに、都々斯美てふ言は、都々美なくと大切にするより出たる言と通ゆ、〈都々斯美、都々しむ、都々しまむと活く、〉また此字お、韋夜麻比とも訓来れり韋夜は礼にて麻比は辞なり、さて敬字の下に属べき名どもお、多く列たる中に、欽、祗、粛、慎、謹は、共に都々斯美と訓て、字義いさゝか異なり、忌(いみ) 戒(いましめ) 畏(おそれ) 斎(つとめ) 勤(つとめ) 倹(つヾめ)などは、都々志美といふ訓の方に属き、恭(うや〳〵し) 謙(へりくだり) 譲(ゆづりし) 順(つがひ)などは、韋夜麻比といふ訓の方に属り、