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備前老人物語
一信長公、手の爪お取給ひしお、小姓とりあつめけるが、とかくたづねもとむる体なれば、何おたづぬるぞと問給ひしに、御爪ひとつたらざるよしお申す、御袖おはらはせ給ひければ、爪ひとつ落たり、信長公御感ありて、物毎にかくこそ念お入べき事なれとて、御褒美ありけり、