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重勝聞書
堀部弥兵衛被申候は、磯貝十郎左衛門事、其朝立退候節、将〓橋お渡り候、近所に母罷在候故、暇乞お仕候へとて、内蔵助〈○大石〉始、何れも申候へども、立寄不申候、たしなみ故と存候、十郎左衛門被申候は、先は装束の目立第一、老母居候御屋敷へ対し、失礼之義、又暫時の間も、如何様之儀可有之も難計、傍にて立寄不申候、唯今存候得ば、後悔に存候、