[p.1264]
常山紀談

朝鮮の平安川は、〈○中略〉諸家の士、或は七八町、十町、或は十二三町あらんといへども審ならず、黒田長政の士、吉田六郎大夫〈○註略〉又助父子に見積り候へと下知せらる、〈○中略〉翌朝又助組の士お引具し、川岸に出、川の向に朝鮮人三人見えたり、又助小柳権七は長高き者なり、あの向の人退かざる内に急ぎ堤の上お行べし、指物おふる時踏とまれと言含め、権七走り行其たけ向の人とひとしく見ゆる時、指物お振たれば立とまりぬ、即其間お打てみれば八町五段なり、長政聞て、又助二十一歳、老功の者にも劣らじと称美せられけり、