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倭訓栞
前編二十五/比
ひじり 日本紀に聖字およめり、万葉集に日知とかけり、日徳お知しめす聖天子の称也、又大人おもよめり、西土にも天子お聖といへれど、我邦日知の意は、西土と異なり、天つ日嗣しろしめす皇孫の尊お申奉る也、〈○中略〉万葉集に、酒の名おひじりといひしとよめるは、巍の徐貌が故事に、酔客謂清者為聖人、濁者為賢人と見えたり、