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続世継
五/飾大刀
ふけの入道〈○藤原忠実〉おとヾの御子、〈○中略〉左のおとゞ〈○頼長〉は、御みめもよくおはし、御身のざえもひろき人になんきこえ給し、堀河の大納言〈○師頼〉に、前書とかきこゆるふみうけつたへさせ給へりけり、そのふみは、匡房の中納言よりつたはりて、よみつたへたる人、かたく侍なるお、この殿ぞつたへさせたまへりける、いまは師のつたへもたえたるにこそ侍なれ、かやうにしてさま〴〵ふみどもよませたまひ、僧のよむふみも、因明などいふならの僧どもに、たづねさせたまふとかやきこえき、