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続古事談
二/臣節
在衡、維時、おなじ時の蔵人にて、藤内記、江式部とてぞありける、この維時は聡敏ふしぎなりけり、遷都より後の人の家、始より今にいたるまで、その主の名、うりかふ年月、皆これお覚え、又人の忌日みなしりたりけり、此蔵人の時、於御前前栽の名お書たりける、一草およむ人なかりけり、