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常山紀談

森蘭丸は三左衛門可成が子にて、信長寵愛厚し、十六歳にて五万石の地おあたへらる、ある時刀おもたせ置れしに、刻鞘の数おかぞへ居たり、後に信長かたへの人おあつめ、刻ざやの数いひあてなんものに、此刀おあたふべき由いはれければ、皆おしはかりていひけるに、森はさきに数へて覚えたりとていはず、信長其刀お森にあたへられけり、