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武功雑記
有馬修理大夫へ、薩摩より加勢おつかはし候とき、兄の兵庫か、弟の中書力、両人の中おつかはすべしと、立伯たづねられしに、新納武蔵進て申は、兵庫殿は、耳億病、目甲斐々々敷大将也、中書殿は、耳甲斐々々敷、目億病なる太将なり、目に見、たる時、大事に存る大将は、軍の仕損じなきものなり、必中書殿お被遣可然と雲て、終に中書お遣す卜雲々、兵庫後に少々新納お恨む、新納が雲、何程御うらみ候共、私存よりは、其刻申したる如くにて候、