[p.0037]
続近世奇人伝

一祚梨一
一祚梨一は江戸の人也、性廉にして家乏しく、書のみ多し、凡世の人事お省き、外の聞見おいとはず、隠操ある人なり、〈○中略〉一時越前の兵庫といふ所の代官になり、〈○註略〉秋収お聞ことありしが、其正直無欲なることお、百姓大きに感じて、梨一明神と唱へて、其真影お崇、秋ごとには祭れりとぞ、