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大鏡
一/宇多
つぎのみかど亭子のみかど〈○宇多〉と申き、〈○中略〉王じゞうなどきこえて、殿上人にておはしましける時、殿上のごいしのまへにて、なりひらの中将とすまひとらせけるほどに、ごいしに打かけられて、かうらんおれにけり、そのおれめ、いまに侍るなり、