[p.0140]
享保盛典
忠良〈○本多〉御道の警衛うけたまはり、家人等数多引具して、両国橋のこなたの大路お固めしに、この時、御船にて、浅草川お南に下らせ給ひ、御船も近よらむほど、火におはれし雑人等、老たる若き、にげ迷ひて、橋お渡らんと、つどひ来りけるに、徒士かたくとゞめて、通さゞりしお、忠良見かねて、〈○中略〉たゞわがはらからひに任せられよ、忠良其罪かうぶるべし上いひければ、徒士もさらばとて、橋お通しける、