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良将達徳抄
十上
一細川越中守忠興家臣松井佐渡守、有吉頼母介、大剛の兵にて、午角の両家也、松井佐渡守末期に、及び遺言に、士は武道一通がよし、其いは、れは、我歌道茶湯弁舌公儀よき故に、武辺は脇になりたり、場数は有吉に二度多けれ共、世間にては、公儀分別は松井佐渡守、武辺は有吉頼母と雲と聞、唯士は有吉がごとく、武道計にて、其外は無調法なるがよしと、申候きなり、